ばれてたのか…。その答えも間違ったものが多かったけどな。

「二年に上がったら、クラスも離れて会う機会も減ってた。三年もそうだった」

「うん。でも多分、クラスが同じでも対して変わらなかっただろうね」

 飴を舐めながら喋る茉莉奈のこもった声。俺は「そうだったな」と相槌をうつ。

 こうして話していると中学生の頃…あの喧嘩の前の二人に戻っているような感覚に陥る。なんだか面映ゆい気持ちだ。

 俺は右耳の後ろを掻いて、茉莉奈を見た。

「…今だから言えるんだけど、ショックだったんだ」

「ショック?何が?」

 意外そうに驚く茉莉奈は、俺の顔をのぞき込んだ。

「お前がさ、俺と他の子の仲をひっつけようとしてるって思うと何かショックだったし、無性にムカついて…ほんと餓鬼っぽいよな」

「…え?」

 混乱しきっている茉莉奈。俺はブランコから降りて、囲いにもたれかかるように立った。

「俺の言葉足らずも悪かったけど、茉莉奈だって俺が最後まで言おうとしてるのを聞こうとしなかったんだ」

 茉莉奈は下を向いて考え込むように黙った。