「うわー……桃ちゃん、それいつ付けたの?」
「へ?」
峰くんがにやにやとあたしと霧谷くんを見る。
ゆっちゃんも呆れたように霧谷くんを見ている。
クリームでもついているのかな?
慌ててゆっちゃんを見て確認するけど違うわよ、と言われた。
じゃあ何がついてるの?
「流もやるねぇ〜」
「あまりにも萌が無自覚なので。お仕置きです」
「それにしてもやり過ぎよ。あれじゃ丸見えじゃない」
「その為に付けましたから」
「??」
三人は分かってるみたい……またあたしだけ仲間外れ。
むぅ……
「ハイハイ、萌拗ねないの」
「でも、あたしだけ分からないなんて……ずるいよ」
ゆっちゃんを軽く睨むように見る。
「分かったから……とりあえず髪おろす?」
「へ、どうして?」
「んー……どうしても?」
「??」
ゆっちゃんが何を言っているのか……よく分からないけど。
「うん、分かった…」
でもせっかくゆっちゃんがセットしてくれたのに、もったいない気もするなぁ……
シュシュをとって手ぐしで軽く整える。
「これでいいかな?」
「うん、大丈夫」
何が大丈夫なんだろう?
「そろそろ行こうか、夕希ちゃん」
「そうね。二人の邪魔するのもよくないし」
またね、と峰くんとゆっちゃんは二人でどこかに行ってしまった。
帰り際、霧谷くんは峰くんに、これ以上はするなよ、と言われていた。
あたしもゆっちゃんに気を付けてね、と言われて……
何をだろう、と頭に"?"を浮かべるあたしを見てゆっちゃんはため息をついてからもういいわ、と言って峰くんを叩いていた。
内容はよく分からないけど、あたしのせいで峰くんが叩かれているのは分かるよ……
峰くん、ごめんね。
心の中で謝っておいたから大丈夫、だよね?


