大好きなんです




霧谷くんに言われてお腹がすいているのに気づく。


うぅ……自覚したらお腹鳴りそう……



「何食べます?」


「うーん……霧谷くんは?」


「そうですね……」



お昼について話しながら屋台の出している方へ向かう。



うん……予想はしていたけど、女の子からの視線がすごいなぁ。


確かに霧谷くんはかっこいいけど……



こんなあたしが霧谷くんの隣にいてもいいのかな、なんて考えてしまう。



「萌、どうしました?」


「え?あ、なんでもないよ」


「……そうですか?」


「うん。……あ、クレープある」



そういえば最近食べてないなぁ。



「くす……食べますか?」


「いいの?」



霧谷くんは返事を返す代わりにあたしに手を差しのべた。


そっと自分の手を重ねるとぎゅっと握り返される。



嬉しい、な……



あたりの顔は自然と笑顔になる。



「ふふ、何にしようかなぁ〜」



やっぱりいちごかな?


でもブルーベリーも捨てがたいなぁ……



「萌、ご機嫌ですね」


「え、そうかな?」



だとしたら霧谷くんが手を握ってくれたから、かな。


恥ずかしくて霧谷くんには言えないけど……



「うーん……やっぱりいちごにしよう。いちご一つ下さい」


「はーい。どうぞ」


「ありがとうございます」



クレープを受け取り、焼きそばとたこ焼きを買ってからあたしと霧谷くんは飲食スペースに向かった。


あまり人はいなくていくつかテーブルがあいていた。



お昼過ぎたからかな?



「あ、桃ちゃんと流じゃん」


「峰くん、ゆっちゃんも」



おーい、と峰くんがあたしたちに向かって手を振っていた。



「二人とも今お昼?」


「こっち来ちゃったじゃない。空気読みなさいよ、峰!」


「いって!」



あれ、二人の親密度が上がってるような……