「そんな萌もかわいいのですが、いい加減見てるこっちがハラハラするので……」
か、かわいい!?
霧谷くんにかわいいって言われた……?
あ、頭がくらくらするよぉ……
「ちょっと、お仕置きですね」
「……へ?」
どうして今の流れでお仕置き?
………お仕置きっ!??
「えぇっ!?」
驚いてバッと顔をあげると、霧谷くんの顔が近くにあって唇に温もりを感じた。
カアァ、と熱くなる顔。
「き、霧谷く……んっ……」
一瞬離れた温もりはさっきよりも熱くなって返ってくる。
「んっ……はぁ…」
ぼーっとする……
「くす……かわいい」
「…っ!!」
妖しく笑う霧谷くんにどうしようもなく高鳴る胸。
うぅ……顔、絶対真っ赤だよぉ。
恥ずかしい……
「ひゃ………」
俯くあたしの首筋に霧谷くんが凭れかかるように頭を乗せる。
か、髪の毛が……
「霧谷くん、くすぐったい……」
「ん……あとちょっと」
「霧谷くん……?」
なんか、甘えてるみたいでかわいいな……
くすり、とつい笑みがこぼれる。
でも、大丈夫かな……霧谷くん、疲れてるみたい。
「霧谷くん、大夫……っ!?」
大丈夫?と聞こうするとチクリ、と首に小さな痛みが走った。
「っえ、今の何……?」
「お仕置き」
顔をあげた霧谷くんは少し意地悪な顔をしていた。
「お仕置き…?」
「そろそろ行きましょうか」
すっと霧谷くんが立ち上がるのにつられてあたしも立った。
「回るの楽しみにしていたでしょう?」
「え、う、うん……あ、でも無理しないでね?
霧谷くん、少し疲れてるみたいだし……」
「大丈夫ですよ。とりあえず何か食べましょうか」


