大好きなんです




クラスにはもっとすごいものを着ていた人もいたし……


なんと言うか……ホステス、みたいな?


あれは着たくないね、ってゆっちゃんと話してたなぁ。


うんうんと頷くあたしを見て霧谷くんはふーん、と目を細めた。



どうしたんだろう……



「霧谷く……ひゃあっ!?」



つ、と足にそって感じた温もりに驚いてあたしは声をあげる。


えっ、な、何!?


あわあわとしていると腕を引っ張られて、あたしは霧谷くんに向かって飛び込んでいた。



「霧谷、くん……?」



そっと見上げてみると、楽しそうに頬を弛めている霧谷くんがあたしを見ていた。


カアァと赤くなる顔を隠すようにあたしは俯く。



し、心臓に悪いよぉ〜〜〜!!



ドキドキする心臓を誤魔化すように違うことを考える。



あっ、そういえば服!!


これレンタルだから返さないといけないのに!


今のあたしの状況は霧谷くんの腰に手を回して……じゃなくて!!


あたしは地面に膝をついている状態で。


汚さないように気を付けてって言われてたんだった!



「霧谷くん、あの、服が汚れちゃうから……」



慌てて立とうとしたあたしを制するように、霧谷くんはそのままあたしを抱きしめた。



ひ、ひゃあぁ……!!


絶対、顔真っ赤だよぉ〜〜〜!!



恥ずかしい……


でも……やっぱり嬉しい、から………


あたしもそっと霧谷くんの背中に手を回した。



「はぁ…全く……」



あたしのすぐ耳元を霧谷くんの声が掠める。


く、くすぐったい……



「萌、もっと自覚して下さいね」


「じ、かく…?」



な、何に……?



「まぁ萌のことですから分かってないんでしょうけど」


「うぅ………」



その通りなので何も言い返せず……