大好きなんです




よかった…やっと会えた……



つい、あたしも安心して霧谷くんの背中に手をまわそうとするけど……


はっとして今の状況を思い出す。


そろっと視線を横にずらす。


……峰くんとゆっちゃん、優くんがにやにやしてあたしと霧谷くんを見ていた。



き、きゃぁぁぁ〜〜っ!??



ぼんっ、と効果音が出たんじゃないかと思うぐらいあたしの顔は赤くなった。



「きっ、霧谷くん!あのっ、これっ!!」



みみみっ、みんなの前!!



ぽんぽんと背中を叩くけど霧谷くんはそんなの気にしてないように抱きしめる力は変わらない。



「き、霧谷くん〜〜」



絶対に聞こえてるはずなのに……



ここにいるみんなの視線があたしに向いているんじゃないかと思うぐらい視線を感じる。



はっ、恥ずかしいよぉ〜〜〜!!



どうしよう〜〜!?


どうすればいいの〜〜!?



頭はパニック状態でちゃんと回らない。



「そろそろ放してやれよ、流クン」



ぽんっ、と峰くんが霧谷くんの肩に手を置いた。



「…………何?」



少し…いや、大分不機嫌そうな霧谷くんの声が聞こえた。



「ストレスかかってるのは分かるけどさ、桃ちゃん見てみなよ。
……倒れそうだよ?」


「…あ、ごめん萌」



抱きしめられていた力がなくなり、代わりに心配そうな霧谷くんの瞳があたしを覗いていた。



「萌、大丈夫?」



霧谷くんに返事を返せる余裕はなく……


あたしはこくこくと真っ赤な顔でうなづいた。



「桃ちゃんびっくりした?流、メチャクチャ似合ってるだろ?」


「う、うん……」


「この格好のお陰で店も繁盛してるみたいだし……よかったね」



あ……お客さんが多いとは思ったけど、霧谷くんが宣伝(?)してたんだ。