「俺的には夕希ちゃんの衣装のが気になるんだけど」


「あんたは黙ってなさい」


「夕希ちゃん冷たい!そんなとこも好きだけどね〜」



パンを食べながら峰くんはにやにやしてゆっちゃんを見ていた。


あたしが知らない間に峰くんはゆっちゃんに告白したみたいで、夏休みが明けてから峰くんのアタックがウザイ、とゆっちゃんが言っていた。



うーん……あたしから見ると二人はお似合いなんだけどな。


そんなこと、ゆっちゃんに言ったら怒られちゃうかな。



「なぁ桃ちゃん。俺違うクラスだし、流にも秘密にするからさ、特別に教えてくれない?」


「んー…本当に、当日まで誰にも言っちゃダメだよ?」


「分かってるって」



少し迷ったけどあたしは教室の隅まで峰くんを連れてそっと耳打ちした。



「えっと………だよ」


「……マジ?」


「うん。マジだよ」



変だったかな?


個人的にはぴったりだと思ったんだけどな…



「桃ちゃん」



ぽん、と肩に手を置かれる。



「それ、ナイスチョイス!!」


「きゃあ!?」



がばっ、と抱きつかれて思わずが声出てしまった。


だ、だっていきなりだったから……!


ちょっと罪悪感が……



とにかく謝ろうと峰くんから離れるとタイミング良くゴンッ、という音と一緒に峰くんの小さな悲鳴が聞こえた。


ぐいっと手を引かれるとあたしは霧谷くんの腕の中にいた。



「萌に手ぇ出すな。この変態」


「いってぇよ流。つか変態なのは夕希ちゃんに対してだけだし」



変態なのは認めるの?


という疑問はさておき、あたしはコロコロと床を転がるペットボトルを見て、峰くんはこれで殴られたのかな、なんて考えていた。


そうでもしないと平静でいられる自信がないよぉ……!



「おーおー、男の嫉妬は見苦しいねぇ。
あっ、そーだ。桃ちゃん、流の衣装決めたの俺だから、それも当日楽しみにしてなよ」


「え?」