んー……あたしはうさぎの着ぐるみが着たかったんだけどな。


でもゆっちゃんの衣装は選びたい、かも。



「うん。いいよ」


「ほんと?やった!」



ガッツポーズをするゆっちゃんを見てつい笑みがこぼれる。



「当日までお互いなんの衣装かはナイショね」


「えー。気になるよぉ」


「だって知ちゃったら楽しくないでしょ?」



ゆっちゃんの言いたいことも分かるけど……



「大丈夫!変なのは選ばないから」



満面の笑みであたしを見るゆっちゃんを見て、まぁそれでいいや、と思ってしまうあたしは単純なのかな。


だってゆっちゃんの笑顔がかわいいんだもん!



「当日、楽しみにしてて」


「うん。ゆっちゃんも楽しみにしててね!」



あたしもにっこりとゆっちゃんを見る。


それからはいつものように他愛もない話をして時間を過ごした。


少しすると小林先生が着て、いつものように一日が始まった。













―――――――――――――――――
――――




「で、萌は何にしたんです?」


「んー…さぁ?」



ただいまあたしと霧谷くん、ゆっちゃんと峰くんで空き教室でお昼ごはん中です。


文化祭の話になり、何故か衣装の話に繋がって……



「当日までの秘密だってゆっちゃんが言うから……」


「……相田さん」


「い、や、よ。当日のお楽しみ」



ゆっちゃん、霧谷くんに対してもばっさりだね。


ちょっと不機嫌そうだなぁ。



「霧谷くんは何にしたの?」


「……相田。萌に変なの着させんなよ」



あれ、あたしの質問無視ですか?


ちょっとショックだよ……



「何よそれ。あたしが萌に変なの着させるわけないじゃない。
ま、霧谷も楽しみにしてなさい。うーんとかわいいの選んであげるから」



にやり、とゆっちゃんは挑発的に笑った。