「それで、見せたいものって?」
少しわくわくとした気持ちであたしは二人を見る。
「まぁまぁ。それはあとにして、まずはごはん食べよう」
「えー」
気になるなぁ……
でもお腹がすいていたのも事実なので、あたしは持ってきたお弁当を開いた。
みんなで喋りながら夏休みにあったことや昨日のこと、学校祭のことを話しながらお昼を食べているとすでに昼休みもあと少しとなった。
「ねぇ、そろそろ見せてよぉ」
もうお昼休み終わっちゃう……
「そうね。峰、見せてあげたら」
「だね〜。でも、桃ちゃんこれ見たら次の授業出れないかもね」
「???」
にやにや笑うゆっちゃんたちを不思議に思いながら見る。
霧谷くんにも目を向けてみたけど、にこりと笑顔を返されただけだった。
「んじゃ、お披露目〜」
峰くんの言葉とともにテレビの電源が点いた。
「…………へ?」
これ、昨日のカラオケボックス……?
なんで?……あれ、あそこにいるのあたしだ。
隣にいるの……和樹くん、だっけ?
うん?あんなに近くにいたっけ?
……よく覚えてないなぁ。
まるで他人を見るような気持ちであたしはテレビを見ていた。
テレビの中のあたしはちびちびとジュースを飲んでいて、どこかぼーっとしていた。
和樹くんは何かあたしに話してるけど……覚えてない。
和樹くんはぐっとあたしの肩を組む。
「えぇっ!?」
覚えてない!!
はっとして霧谷くんを見るけど、霧谷くんは画面を見ていてあたしには彼がどんな顔をしているのか分からなかった。
どうしよう……覚えてない、けど……これ昨日の、だよね?


