あたしと霧谷くんが付き合ってから三ヶ月が過ぎた。
一緒に帰ったりメールをしたり、話したり……
あたしにとっては夢のような幸せな毎日だったけど……
「で?」
ゆっちゃんにとってはそうじゃないみたい。
久しぶりに二人でお昼を食べようと誘われ、あたしとゆっちゃんは空いていた教室でごはんを食べていた。
……ゆっちゃん、顔が怖いよ。
「そ、それだけだよ?」
「はぁ〜〜〜っ!?」
ゆっちゃんの大声にびくり、と肩が揺れる。
そんなに驚くことなの?
「デートとかは!?してないの!?」
「う、うん……」
「夏休みあったのにっ!?」
「うん……」
霧谷のやつ何やってんのよ!とゆっちゃんは頭を抱えている。
「それ、本当に付き合ってるって言うの?」
「え、言わないの?」
「言わないって言うか……」
はぁ、とゆっちゃんは大きなため息をつく。
「なんか、もっとこう……恋人っぽいことないの?」
「恋人っぽいこと……?」
ちゅー、と購買で買ったいちごみるくを飲む。
恋人っぽいこと、かぁ。
「キスとかさ」
「んぐっ!?…げほっ、ごほっ……」
ゆっちゃんのいきなりの爆弾発言にむせてしまった。
なんてことを言うんだ……!!
「何、まだなの?」
「ゆっちゃん……」
あたしは何を言えばいいか分からなくて、ただ顔を赤くしていた。
「ほら、言っちゃいなさいよ。いつも相談にのってあげてるでしょ?」
「うっ……」
そう言われると返す言葉がない。
「あ、ある……よ?」
告白したとき、とか……あれは思い出すだけで恥ずかしい。
へぇ〜、とゆっちゃんはにやにやしながら笑う。