「流、ゆっちゃんたちが分かる前にこっそり教えてよ」
あたしだってたまにはゆっちゃんより優位に立ちたいもん!
「俺は言ってもいいよ?でもそうすると楽しくないからダメ」
「えぇ……」
うぅ……流の意地悪!
じゃあヒント、と言うあたしに流は少ししてからクリスマス、と呟いた。
「クリスマス……?」
クリスマスと言えば、あたしが流の家にお邪魔した日だよね。
そのときに変わったこと……
「分かった!流、これでしょ?」
胸元を少し開けてあの日、流からもらったネックレスを見せる。
そっか、ネックレスを着けていたからいつもと違って見えたのかな。
「違うと思うけど」
「え!違うの?」
試しにゆっちゃんと峰くんに聞いたら、それにはもう気づいてるということで、あたしの答えは違っていた。
うーん……じゃあなんなんだろう。
「分からないわね」
「うん……」
ゆっちゃんにも分からないのに、あたしが分かるわけないよぉ。
あたしのことなんだけど、分からないものは分からない……
流、教えてくれてもいいのに。
「そういえば、桃ちゃんのことばっかり話してたけど、流もなんか変わっ……あ」
「?峰くん、どうしたの?」
「陸真?」
一瞬フリーズしてから峰くんは流に目を向ける。
そしてあたしにも。
な、何だろう???
「……分かったかも。桃ちゃんの何が変わったのか」
「本当!?」
「んー、多分」
教えて、と言うけどどことなく歯切れが悪くて。
ゆっちゃんもはっきりしなさい!と峰くんに向かって怒っていた。
ふふっ……ゆっちゃんと峰くん、いつも仲良しだなぁ。