驚いて、目を閉じるのも忘れて流にされるがままになる。
お風呂上がりで濡れた髪から雫がぽた、とあたしの頬に落ちた。
「な、がれ……」
「萌……」
名前を呼ばれただけで、胸がぎゅうっとなる。
再び近づく距離に、今度は自分の意思で目を閉じる。
さっきよりも深くなったキスに、頭がその甘さでクラクラしてしまう。
「んんっ……は、ぁ…」
苦しい…でも、やめないでほしい……
もっと、もっと……
もっと、流を近くに感じたい……
「萌、俺、これ以上は我慢できる気がしないから」
その瞳が真っ直ぐで、真剣で。
あたしも、伝えたい。
流に近づきたいって。
もっともっと、流のこと全部知りたいって。
流と同じ気持ちを感じているんだって……
緊張で、震える唇。
それを見て流はあたしから離れようとする。
違うの…違うんだよ………
流…………
あたしは手を伸ばして、流の首に回して自分から流にキスをした。
触れるだけのキスだけど、今のあたしにはこれで精一杯。
流はあたしの行動に少し驚いたのか、目を見張っていた。
「あ、たし、流にもっと、近づきたいよ……っ」
恥ずかしくて堪らないけど、流の瞳を見てしっかりと言う。
これが、あたしの正直な気持ちなんだよって伝えるために。
「……じゃあ、もう我慢しない」
妖艶に微笑んで、流はあたしを抱き上げベッドに倒した。
微かな重みに心臓が痛いぐらいに鳴る。


