どこを見ればいいのか分からなくて思わず流に背中を向ける。
み、見ちゃった……
あたし、流の裸見ちゃったよぉ!!
初めて見た、男の人の裸。
お、お父さんとかの裸は見たことあるけど、それはそれだし……
流は平均的に見て細身だと思ってたけど、実際に見てみるとちゃんと筋肉とかついていて。
さ、触ったときもなんというか、固かった……
さ、触ったのは不可抗力だもん!
わざと触ったとかじゃないからね!!
誰に言い訳をしているわけでもないのに、あたしは頭を振って必死にそう言っていた。
「萌、驚かせてごめん。服持ってくの忘れたからとっていい?」
「あ、うん……」
ぎこちなく頷くと流がクローゼットの方に移動した。
ちらり、と流の後ろ姿を見る。
………流って、背中綺麗だなぁ。
胸元、も……肌とかすごくツヤツヤで羨ましいぐらい。
じっと見ていると、なんだか触りたくなってしまった。
もっと、流のことを知りたくて。
もっと、流に近づきたくて。
もっと、流と一緒にいたくて。
無意識に、あたしは流の背中に抱きついていた。
「え、萌……?」
焦ったような、驚いたような流の声が聞こえる。
でも、あとちょっとだけ……
きゅ、と力を入れると、流が息を呑むのが分かった。
あったかい……
流を、近くで感じられる。
今は、今だけは、あたしが流に一番近いんだって思える。
離れたく、ない……っ
「もう、無理かも」
流の声に抱きしめる力が緩む。
それを見計らったように流がこちらに顔を向けて、あたしに手を伸ばしてきた。
ぐいっと引き寄せられて、予告もなく唇を塞がれた。


