ボォー、と温かい風が耳や首もとをくすぐる。
「な、流、いいよ…自分でするから……」
「俺がやりたいの」
「うぅ……」
そんなこと言われたら何も言えないよぉ……
慣れない感覚にソワソワしてしまう。
たまに触れる流の指に、そこが熱を帯びるように感じて恥ずかしい。
「よし、終わり」
流の声と一緒に風が止む。
「あ、ありがと」
「どういたしまして」
サラサラと髪をすかれる。
なんか、さっきの流の声、機嫌がよさそうに聞こえたな。
何かいいことあったのかなぁ……
ぼんやりとそんなことを考えていたら、不意にうなじにヒヤッとしたものが押し付けられて肩が上がる。
なっ、何っ!?
「萌、なんかいい匂いがする」
「へっ?……あ」
もしかしたらあの入浴剤の香り、かな。
「それに、髪……俺とおそろいだね」
「ひゃっ……」
すぅっと髪の香りを嗅がれて顔が熱くなる。
うぅ……恥ずかしい。
俯くあたしの髪に口づけを落として流は立ち上がった。
「風呂に行ってくるから」
「う、うん」
こくこくとあたしは頷きを返す。
「萌は寝てていいよ」
「で、でも……」
あ、あれ?
そういえばあたしって今日、どこで寝ればいいんだろう。
「あぁ、そっか。
んー……じゃあ萌は俺の部屋で寝ればいいよ。俺は優の部屋で寝るから」
「え!でも悪いよ……あたしが優くんの部屋でいいよ」
きっと自分の部屋の方が落ち着くだろうし。
ね?と流を見上げるけど、
「ダメ」
「……へ?」
だ、ダメ、なの……?
「でも、」
「萌は、俺以外の男のベッドで寝るの?」
「なっ!!!」


