「あぁ、分かっ……」
振り向いてあたしと目があったと同時に、ピタリと流の動きが止まる。
…………?
どうしたんだろう?
「流?」
何か、体の具合とか悪いのかな。
さっきまでの緊張よりも流のことが心配になってしまい、そっと流の方に近づく。
「流?どうしたの?大丈夫……?」
風邪でもひいたのかな。
熱を計ろうと手を伸ばすと、ぐいっと引かれてあっという間にあたしは流の腕の中にいた。
ぎゅうっと苦しいぐらいに抱き締められて、あたしの心臓はドキドキと高鳴っていく。
「はぁ………」
ため息があたしの耳にかかって、くすぐったい。
思わず体がピクリと跳ねる。
「な、がれ……?」
「……萌、朝も言ったけどもっと自覚して」
「え、と……」
あたし、また知らず知らずのうちに何かやってしまったのかな。
思い返してみるけど……
な、なんだろう?
分からない……
そっと体が離れて流と目があう。
その瞳になんだか熱っぽい炎のようなものが見えて。
体の奥がカアァと熱くなるような感覚がした。
「萌には分からない、か」
「……ごめんなさい」
「謝らなくてもいいよ」
優しく笑って、流はあたしの額にそっと唇を落とした。
ドライヤー持ってくるから待ってて、と言って流はリビングを出た。
……流…………
あたし、また流に我慢とかさせちゃったのかな。
胸が、痛いよ……
「萌、ドライヤー持ってきた」
「あ、うん。ありがとう」
そのまま受け取ろうと手を出したけど、流はドライヤーを離そうとしない。
「流?」
「はい、後ろ向いて」
「へ?」
え?どうして?
あれ?
なんて思っているうちに流にされるがままになっていて。


