見上げる先には天井と流の顔。
あたしの体の上には流がいて。
手は流によってベッドに縫い付けられていて。
微かな重みに、ドキンっと心臓が大きく音をたてた。
「なが、れ……っ」
「萌」
「っ、」
どうしてなんだろう……
普段聞いているはずなのに、流の声が色っぽくて恥ずかしい。
「……萌は、いつも俺の余裕を崩すから、自分保つのに苦労してる」
少し苦笑をもらす流の顔を、あたしは何も言わずに見つめた。
「この際はっきり言っちゃうけど、俺は早い話、萌を早く自分のものにして安心したいよ。
心も体も、萌の全部が欲しい。
でも萌はそういうのに鈍感だから……まだ手は出せない」
初めて聞いた、流の本音。
そんなこと、思ってたんだ……
「だからさ、萌。
あんまり俺の理性、崩すようなかわいいことするのはやめようね?」
「や、やめようって言われても……」
あたしそんなことした自覚がない……
あっ!だから流、もっと自覚した方がいいって言ったんだ。
なるほど……
「そういうのも結構ヤバイんだけどね」
「へ?」
「なんでもないよ」
くすり、困ったように笑みをこぼして流はあたしの体を起こした。
ベッドに座ってぎゅうっと後ろからあたしを抱きしめる。
「今はこれで我慢するから、萌も早くこういうのに慣れてね」
「う……が、がんばります」
くすくすという流の声を聞きながら、あたしはそっと流に体を預けた。
背中に感じる流の体温。
流の、心臓の音。
すごく、安心する……
どうしてだろう。
今、自分でも不思議なぐらい流に近づきたいって思ってる。
どうしてだろう……
ドキドキとする心臓の音を聞きながら、あたしはそっと目を閉じた。


