うーん……霧谷くんの予想通りになっちゃったな。
つまりは、あたしと霧谷くんは家に入ってから一度も言葉を交わしていない。
ちょっと寂しいなぁ……
でも優子さんとお話したり、料理をするのは楽しいな。
「萌ちゃん、ミネストローネはどうかしら?」
「あ、はい。こんな感じでどうですか?」
出来上がったばかりのミネストローネを少しお皿に盛って優子さんに差し出す。
「うん、美味しい。萌ちゃんお料理上手ねぇ〜」
「ありがとうございます」
よかったぁ……
実を言うと初めて作ったから不安だったんだよね。
おいしくできてよかった。
「これならいつ流のお嫁さんに来ても大丈夫ね」
「へっ!?そんな……」
カアァッと顔を赤くしたあたしを見て、優子さんはくすくすと楽しそうに笑う。
うぅ……こういうところ霧谷くんにそっくりだよぉ。
「ねぇ萌ちゃん。萌ちゃんと流の馴れ初めってどんな感じなの?」
「えっ」
「流に聞いても教えてくれないのよ〜」
だから萌ちゃんが教えて!とキラキラとした目を向けられて。
な、馴れ初めって……
こ、告白をどっちからしたとか、そういうことなのかな。
でもそれは、あたしから告白しました、とかいうのはかなり恥ずかしい気が……
「むっ、無理ですっ……!!霧谷くんに聞いて下さいっ」
「あらあら、真っ赤になっちゃって」
かわいいわねぇ、という優子さんの言葉に、やっぱり霧谷くんを重ねてしまう。
うぅ……霧谷くんのいじわるなところは優子さん譲りなのかな。
完成したミネストローネは火を止めて、次はサラダを作ろうと野菜に手を伸ばす。
「そういえば、萌ちゃん」
「はい」
野菜を水で洗いながら、あたしは優子さんの方に顔を向けた。


