「……まぁ、結論から言うと、思ってるんじゃないかしら」
「や、やっぱり?」
そうだよね……
カアァ、と頬が熱くなる。
じゃあ、やっぱりあたしはそういう覚悟を決めて行った方がいいのかな。
クリスマスの日に、あたしは………
「萌、ちょっとは落ち着いたら?」
「はぅ……」
考えるだけで頭も体も沸騰しそうだよぉ……!
テーブルに顔を伏せるあたしの頭を、ゆっちゃんはよしよしと撫でてくれる。
「萌は考えすぎ」
「ゆっちゃん……」
顔をあげるとくすりと笑みをこぼしているゆっちゃんの顔。
「霧谷が今まで、萌の嫌がるようなことしてきた?」
その質問にふるふると首を振る。
「でしょ?大丈夫。
あいつは萌の嫌がることはしないから。
萌はいつも通りの萌で居れば大丈夫よ」
「ゆっちゃん……
でも、あたし…霧谷くんにずっと我慢させちゃったみたいだから……」
たまにあたしに見せた、何かを堪えるような、苦しそうな顔。
あんな顔をさせちゃってたのはあたしなんだ。
「だからって罪悪感から抱いてもいいなんて言ったら霧谷、怒るわよ」
「うっ…で、でも……」
しつこいっ!とゆっちゃんはあたしのおでこを叩く。
じ、地味に痛い……
「そういうのは、お互いに自然とそうなりたいって思うものなの」
「そう、なの……?」
「そうよ。だから萌はヘンなことを考えず、ただ楽しんできて」
ね、と優しく笑うゆっちゃんの言葉に心が軽くなる。
「ありがと、ゆっちゃん」
「どういたしまして」
あたしとゆっちゃんは顔を見合わせて笑った。


