霧谷くんも優くんもお母さん似なんだ。


あ、でも霧谷くんと優子さんの髪の色は違うし……そこはお父さん似なのかな。



「ふふ……流の雰囲気が柔らか〜くなって、恋人でもできたのかしらと思っていたときにね、優が萌ちゃんのこと教えてくれたのよ」


「え?」



そうなんだ…優くんが……



「だからずっと会いたかったの。今日会えて嬉しいわ」


「あ、あたしも……霧谷くんの家族の人に会えて嬉しいです」



ちょっぴり恥ずかしさを感じながらも、にこっと笑ってみる。



「萌ちゃん……」



え?


いきなり真面目な顔になってあたしを見つめる優子さんを、あたしはきょとんと見つめる。



あ、あたし……何かしちゃったのかな?


でもそんなヘンなこと言ってないと思うんだけど……


不安から霧谷くんに目線を移そうとしたとき、優子さんに抱きつかれた。



「もうっ、萌ちゃんイイコすぎるっ!!
娘にほしいぐらいだわっ」


「へっ!?そ、そんなこと……」



あたふたと慌てるあたしに、優子さんはうふふ、と綺麗に笑う。


うわぁ……同性なのに、なんだかドキドキしちゃうなぁ。



されるがままのあたしを見て、少し面白くなさそうな顔をした霧谷くんが仕方ない、というようにため息をつく。


それはまぁ……ちょっと戸惑っちゃうけど、霧谷くんの家族に悪い印象は持たれなくてよかった、なんて思っちゃうから。


あたしはちょっとそわそわしながら優子さんに抱きしめられていた。



「あ、やっぱり萌サンだ」


「あ、優くん」



どうも、とにっこり笑いながら優くんが霧谷くんの後ろからひょっこり顔を覗かせた。