「………で?」


「へ?」



きょとん、とあたしはゆっちゃんを見つめる。


あたしの手の中には温かいミルクティーと手作りのクッキー。


ただいまゆっちゃんの家でくつろいぎ中です。


ちなみにクッキーはあたしの手作りで、今日はクリスマスも近いからジンジャークッキーを焼いてみました。



「結局、そのあと霧谷の母親とはどうなったのよ?」


「へ?あ、うんとね……」



あたしはこの間のことを思い出しながら口を開いた。












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「いやあぁぁんっ!この子が優の言ってた萌ちゃんなのぉっ!!?
ものすっごくかわいい〜〜っ!!」


「ふぇっ!?あ、あの……」


「うわぁ!小さ〜い、白〜い、お肌もすべすべね〜!!」


「ひゃあっ!?」


「反応もかわいい〜〜っ!!」



ドアを開けて約三秒。


あ、あれ?どうなっているの……?


いきなりのことにびっくりして、頭の中は真っ白。


霧谷くんの声とかが聞こえるけど、内容までは頭の中に入ってこない。



確か、あたし……霧谷くんのお母さんに挨拶しようとして、それでリビングのドアを開けてもらって。


それから……?


覚えているのは強い衝撃と柔らかい感触とすごくいい匂い。


これは……香水、かな?


うっとりするぐらいいい匂い……



「……ぇ、萌っ」


「、はいっ!!」



え、あれっ?


はっとすると、目の前には少し心配そうな霧谷くんの顔が。



「大丈夫?」


「え?あ、うん」



大丈夫だよ、と言うと安心したように霧谷くんは笑った。



「ごめんさないね。萌ちゃんに会えたのが嬉しくて、つい」



ペロッと少し舌を出す人に、霧谷くんは呆れたような目線を向ける。