だって、だってこの服……
ムリっ!!
普通に着るだけでもすごく勇気が必要だったのに!
カーディガンを脱ぐなんて……絶対にムリ!!
両手で体の前を交差させるようにする。
す、少なくともこれで防げるはず……
いやいやと頭を振るあたしを見て、霧谷くんはため息をついた。
「そっか……萌がそれなら仕方ないね」
そう言って隣で霧谷くんが体を起こす気配がした。
もしかして、諦めてくれた……?
よ、よかったぁ……
ほっとしてあたしも体を起こそうとする。
うぅ……せっかくゆっちゃんにセットしてもらったのに、少しぐちゃぐちゃになっちゃったかな?
「……え?」
どうして、目の前に霧谷くんが……?
ぼふん、と途中まで起こしていたあたしの体は、再びベッドに沈んだ。
そのときに霧谷くんに両手を押さえつけられる。
……え?な、に?
何が、起こって……
霧谷くんが、あたしの上に……
「………っ!!」
想像できてしまった今の状況にぼんっ!と顔が赤くなった。
「あ、あ、……あの……っ!!」
ぱくぱくと口が動くだけで、肝心な言葉が出てこない。
そんなあたしを見て妖艶に笑って言った。
「仕方ないよね、強行突破になっても」
「きり、」
そして、霧谷くんはあたしにキスをした。
ちゅっ、と軽く音がして一度離れたかと思うと、今度は深くキスをされた。
「……はぁっ、き……や、く…っん……」
頭が、甘さでくらくらする……
体から力が抜けて、何も考えられなくなる。
手を押さえつけられていた力が、いつの間にかなくなっているのにも気づかなかった。
「、はぁっ……はぁ…」
唇が離れて、あたしは息を整えるように思いっきり息を吐いた。


