ゆっちゃんの、霧谷くんのプレゼントが、あたし?



「ど、どういう意味で……?」


「さぁ、そのままの意味なんじゃないの?」



そのままの、意味……



「ついでに陸真も、って書いてあるんだけど」


「………あ!」



確かゆっちゃんと買い物をしてて、峰くんと会って、そのまま峰くんと一緒に買い物をすることになったとき……


霧谷くんの誕生日プレゼントまだ決めてないからちょうどいい、って言ってたような……


もしかして、こういう意味だったのかな。



「思い当たることあった?」


「うん、多分……」



この服を買ってくれたのも、ゆっちゃんが今日の朝あたしの家に来てメイクをしてくれたのも……全部、霧谷くんのためだったんだ。


うぅ……なんか複雑な気持ちかもしれない。


でも霧谷くんが喜んでいるならよしとしよう。



「それで、」


「うん?」



不思議そうに見るあたしに霧谷くんは、にこりと最上級の笑顔を見せた。



「相田さん曰く、そのカーディガンは余計な付属物だってさ。だから……」



自然に伸びてきた霧谷くんの手が、あたしのカーディガンのボタンを一つ開けた。




「脱いでみようか?」





ぬ、ぐ………?


プチン、と二つ目のボタンが外れる音がしてわれに返る。



「だだ、だめ!!絶対だめっ!!」


「なんで?」


「だ、だめだから!!」


「萌、それ理由になってないから」



くすくすと楽しそうに笑う霧谷くんに素直に反応するあたしの心臓。


い、今はそんな場合じゃないんだってば!!


なんとかしてこの危機を乗りきらないとっ…!!



といってもあたしにできることなんてなくて……



あっという間に全てのボタンがはずされてしまった。



「萌、そんなことしてたら脱げないよ?」



呆れたように、でも楽しそうに笑う霧谷くんにあたしはふるふると頭を振った。