「知りたい、です」
「いいよ。教えてあげる」
にこり、と笑って霧谷くんが手招きをするので、あたしは誘われるままに霧谷くんの方に向かう。
あ……霧谷くんの方が目線が低い。
霧谷くんがベッドに座ってて、あたしが立ってるから当たり前なんだけど……
ちょっと新鮮だなぁ、と思っていると手をぐっと引かれた。
「きゃぁっ……!!」
ぼふん、とバランスを崩してあたしはベッドにダイブした。
……うん?あれ?
でもあたしの下、あったかいよ?
恐る恐る目を開けて見ると、霧谷くんの顔がすぐ近くにあって、あたしの顔はカアァ、と熱くなる。
あ、あたし倒れて…き、霧谷くんを下敷きに……!!
「ご、ごめんなさい!!今退くから!!」
あたし重いのにぃ〜〜!!
は、恥ずかしいよぉ!!
慌てて退こうとするけど、何故かあたしはまたベッドに……
ただし、今度は霧谷くんの上じゃなくて霧谷くんの横に向き合うように寝転んだ。
「あ、あれ?」
あたし、なんで……?
あれ、あれ?と思っていたあたしの頬に、霧谷くんの手が触れた。
「き、霧谷くん…?」
それだけであたしの頭の中からは、今まで考えていたことが綺麗さっぱり消えてしまった。
代わりに熱くなる顔。
そんなあたしを見て霧谷くんはくすり、と笑い、顔を近づけてくる。
思わず逃げそうになるけど、いつの間にか頬にあった手が頭の後ろに回されていて、逃げることができない。
「萌、知りたがってたよね。相田からの誕生日プレゼント」
ちゅっ、と小さく音をたてて霧谷くんはあたしの瞼にキスを落とした。
ぴくり、と揺れる体。
は、恥ずかしい……あたしにとっては恥ずかしすぎて、もういっぱいいっぱい。
でも霧谷くんは余裕そうにして口を開いた。
「相田がくれたのは……今日の萌だってさ」
………はい?


