し、心臓に悪い……
こんなのでプレゼント、とかあげられるのかな……
「前途多難だよ……」
はぁ、とため息をつきながら麺を茹でてソースを作る。
「うん、完成」
二十分ぐらいしてパスタが完成する。
味見もしたし、大丈夫……なはず。
ドキドキしながらリビングにいる霧谷くんに出来上がったパスタを持っていく。
「霧谷くん、お待たせしました」
「ありがと。あれ、萌はいいの?」
「うん、あたしは大丈夫だよ」
「そう?」
ここまできても、緊張で食べ物が喉を通りそうもありません。
そんなあたしとは対照的に霧谷くんはいつもと変わらないなぁ。
緊張、とか意識してるのってあたしだけなのかな……?
だとしたら自分がものすごく恥ずかしいよ。
「……え…もーえ?」
「っ!?」
ひょい、といきなり霧谷のアップの顔が目の前に現れる。
「な、何?」
「呼んでも返事ないから……」
「だ、大丈夫だよ!ちょっとぼーっとしてただけで……
それよりパスタ…おいしかった……?」
ぼんっ、と顔が熱くなったのに気づかれないように慌てて話題をそらす。
パスタのことが気になってたのも事実だけど……
「すごくおいしかったよ。萌は料理上手いな」
「ほんと!?」
よ、よかったぁ……とりあえずひと安心。
「ご馳走さま」
「ふふ、お粗末さまです」
霧谷くん、食べるの早いなぁ…
「じゃあ、お皿洗って来るね」
ついでにケーキも持ってこようかな。
「皿なら俺が洗うよ」
「い、いいよ!霧谷くんは誕生日なんだし……そこに座って待ってて?」
「でも一人だとつまらないし」
「うっ……」
少し上目使いで見られて、頬にじわりと熱が集まる。


