「ふぅ~。」

今、私はお風呂に入っている。

頭の中は神崎蓮太って人のことばっかり。

「っていうか本当に、何者なんだろ…。」

明日、里菜ちゃんにちゃんと聞く約束だったんだけど…。

やっぱり気になるっ!

「美羽ーっ?」

お母さんの声が聞こえた。

「なにーっ? 今お風呂入ってるから後にしてくれない?」

「後からでもいいんだけど、美羽の服のポケットの中にメールアドレスの書いた紙、入ってるけどーっ?」

えっ…?

どうゆう意味?

「分かったー! すぐ上がるね!」

体を拭いてと…。

ーガチャ

「上がったよー。 紙、見せてー?」

「はい、これ。 大事なものだと思って、取っておいたよ。」

私は、お母さんから一枚の紙を渡された。

「ありがと…」

確かに小さな紙には真ん中にメールアドレスが書いてあった。

その右下には、“神崎蓮太”の文字。

「えっ…。」

「どうかしたの?」

「あはは…。 いや、何もないよー」

私はダッシュで部屋まで行った。

ーバタン

いやいや、問題あり過ぎでしょ!!!!

ってゆうか、いつ入れたの!?

あのチャラ男っ!

お母さんには何とかごまかしたけど、皆に私の住所聞き回ったりしないかな…。

そして、家の前まで来ちゃったりして…。

あー!!!! ダメダメっ!

マイナスに考えちゃう私の癖、直さないとっ!

それより、どうしよう…。

メールしないと怒られるかな…。

怖いっ! 怖すぎる!

まあ、一応メールしよ…。

『田中美羽です。登録させてもらいました。』

よし、送信完了っ!

~♪~♪

「えっ!? 早っ…!!」

やっぱり、チャラ男はメールが早いのか…。

『メールありがと。 俺の事、嫌いなんだろ? 無理してメールしなくていいから。』

「な、っ…。」

何よっ! その上から目線!!!!

私の事、もう飽きたんだろーね。

よし、返信するっ!

『蓮太さんも私の事嫌いですよね? メールしなくていいですよ。』

~♪~♪

は…早いっ!

『あそ。 まぁ、俺はお前の事嫌いじゃないから。』

えっ…?

そう…なの?

あ…。ダメダメっ~~!

すぐ人を信じちゃダメだよっ!

『そうなんですね。 私はどちらかというと、嫌いです。 ごめんなさい。』

送信完了。

あれ…?

返信が来ない…。 言い過ぎたかな…。

“嫌いです”なんて…。

「あーも~私。ダメダメじゃん!!!!!」

も…もういいや…。

寝よう…。