「……は?女の直感?意味分かんない」


「好きな人ができれば分かるよ」




この人が好きだっていう女の直感が。




楓の言動一つ一つにあたたかさを感じたり、楓の言葉をスッと受け入れる自分がいる。




そして何より憎かったはずの楓の隣を、自分の意思で決めた。




それに今ならママと日向が言った"女の直感"の意味が分かる気がする。




楓の真っ直ぐな目を見て、体が訴えている。




自分はこの男のことが好きなんだと。




復讐するはずだったこの男を、私はいつの間にか惹かれ好きになっていた。




奴に"愛してる"と言われて流されてるだけだと思うかもしれない。




でも奴に見つめられただけでこの異常な高鳴りと全身の水分が沸騰しそうなほどの体の熱さは嘘じゃない。




私は奴を…楓を好きになってしまった。