じっと彼女を見ていたら目が合ってしまった。
彼女は睨むこともなくニコリと笑った。
「あ、そういえばあたしのこと言ってなかったよね?
ごめんごめん!そりゃ、怪しむわけだ!
あたしは片桐 華代(カタギリ ハナヨ)。蓮条組専属医師の下で働く看護師よ」
だから安心してね?
そういって彼女、華代さんはまた笑った。
片桐……なんかどっかで聞いたことのある苗字。
そう考えて視線をふと白兎に向ける。
あれ、白兎の苗字って確か……
「…華代は白兎の妻だ」
私の考えてることがお見通しだったのか、向かいのソファーに座る楓が教えてくれた。
白兎、こんな素敵な奥さんがいたんだ。
「ごめんね、うちのダメ夫が酷いことして。
あたしがちゃんと懲らしめておいたから、大丈夫よ!」
華代さんは私の頭を優しく撫でる。
違う。白兎は……


