おかしい答え。
おかしいけど、
「…それ、あんたらしいわ……楓」
大切なものを傷つけてもそれでも守り通す。
それは傷つけずに守るよりも残酷で、守ってる意味ないって思うけど。
それがしっくりきてしまうのは、きっと奴…楓だから。
起きて白兎に謝ろうと思い、ベッドから下りる。
でもすぐにベッドに戻ってしまった。
後ろから楓に引っ張られベッドに押し倒されたせいで。
視界には嬉しそうに笑う奴と天井が見える。
「ちょっと、怪我人襲わないでよ」
「いきなり名前で呼ぶお前が悪い」
「何言って……んっ…」
久しぶりにしたキスは何だか前よりも甘く感じる。
確かに名前を呼んで"あげた"けど、それが襲っていいという理由にはならない。
でも奴のキスから抵抗する術がなくて、されるがままになってしまう。
なんでだろう。
なんで奴なら怪我しててもいいやって、思ってしまうんだろう。


