あなたのために。-光と影-





私はこれでも日向を傷つけずに守ってきた。




でも……




「…誰かを傷つけずに守っても、結局は自分を傷つけることになる。
自分が傷つかなきゃ、大切なものは守れない。


まぁ、私は結局日向を傷つけてしまったけどね」




日向はあの事件をきっかけに体が弱くなってしまった。




体のどこかが悪いわけじゃない。




精神的に弱くなってしまった。




そうさせてしまったのは、私のせい。




日向を守れなかった、私のせい。




自分を傷つけても大切なものを守れないのなら、私の努力は無駄だったのかな。




何してたんだろ。




自分のしてきたことが馬鹿らしくて自嘲の笑みを浮かべる。




すると奴の手が優しく私の頬に触れる。
その手はまるで割れ物を扱うように優しい。




「…なら俺は自分も小夜も傷つけてでも、お前を守る」




ねぇ、あんた私になんて質問したか覚えてる?




どうすれば私を傷つけずに守れるかって質問したんだよ?




それなのに結局は私を傷つけてまで守るって?