「ただいまー!」

あれから数年がたち、私、桜木優衣は中学三年生。

成績まぁまぁ。運動まぁまぁ。
とにかく普通だ。

拓人のことを忘れたのは一度もなかった。

毎日毎日いつ会えんのかなーなんて思い浮かべていた。

これからも充実した生活を送れると思ってた。

なのに…

プルルルル…プルルルル…

ある日一通の電話が来た。

「もしもし。桜木ですが…」

『桜木遥子さんと桜木龍騎さんが事故に遭いまして…会田病院に来てくれませんか?』

「今すぐに…」

『ありがとうございます。待ってますね。』

嫌な予感がした。

「何だって〜?」

お姉ちゃんこと桜木瑠偉(23)がのんきに話しかけてくる。

「お姉ちゃん、会田病院に行こう!!」

「えー?何で〜?」

「良いから、早く!!」

「分かったわよ。ほら、先車乗ってなさい」

お姉ちゃんは私に車の鍵を投げつける。
そして、着替えなどを済ませる。

「詳しいことはお医者さんに聞くしかないから!」

「そう、分かったわ」

お母さん、お父さん…
どうか無事でいて…。