好き、ただそれだけで。



「…久梨原?」



思わず梶原の瞳に見惚れていた。



「え、あっごめん!
…あの、渡したい物があるから、ちょっと廊下出て欲しいんだけど…」


「ん、わかった」



梶原はあっさりと了解して、廊下へ出る。

私も慌ててそれについて行った。