「やあ、ミーヤ」
セネリオの言葉にミーヤは可愛らしく鳴くと、その場でちょこんっと座り、尻尾を左右に振っている。
「触っていい?」
「ど、どうそ」
「うん、可愛い」
アリエルの了承を得て、セネリオはミーヤの頭を撫でる。
撫でられたことにミーヤは目を細め、喉を鳴らす。
ふと、ミーヤを触っていて、あることに気付く。
きちんと、身体を洗っているのか。
その点を尋ねる。
「い、いえ」
「ペット専用の店に行くと、洗ってくれる。自分で洗うのが大変なら、そういう店に連れて行くといいよ」
「詳しいのですね」
「部下から聞いた」
そう言いつつ、ミーヤと戯れる。
しかしミーヤと遊ぶ為に、やって来たのではない。
アリエルの身を心配し、見舞いに来たのだ。
高熱で寝込んでいると聞いていたが、見た目は特に心配はなさそう。
だが、油断していると悪化させ、長期入院――が考えられるので、アリエルにベッドで寝るように促す。
「で、ですが……」
「駄目」
「わ、わかりました」
そのようにセネリオに言われたら、素直に従うしかない。
アリエルはベッドに横たわると、身体に毛布を掛ける。
アリエルが寝てくれたことにセネリオは満足そうに頷くと、先程言っていた「違う」の意味を聞く。
「色々と、考えていまして……」
「色々?」
「クレイドに連れて行って頂いた、宇宙とか……」
「つまり、考え過ぎ?」
「はい」
難しいことを考え過ぎた結果、処理能力を完全にオーバーしてしまった。
その結果、頭はオーバーヒートを起こしてしまい、寝込んでしまった。
それを途切れ途切れに語るアリエルは、頭のいいセネリオでは有り得ないことを起こした自分が恥ずかしいらしく、顔を紅潮させる。


