"プシュー"と音をたてて
バスがとまり、二人で乗り込む。
席を見渡してみると
後方に隣同士の2座席空きがあった。
「あっち、座る?」
「あっ、はい!」
(座ったのはいいものの、、席ってこんなに近かったっけ?!何これちょっと動いたら肩あたりそうなんだけど)
…
「藤田。起きろ。そろそろじゃん?降りるの」
突然、上から先輩の声が聞こえる。
頬にあたっている、ゴツゴツしているけど温かい感覚。
目をあけてみると、先ほどよりも近い先輩との距離。
しばらくぼーっとしてしまう。
「?!」
ようやく、自分のおかれた状況に気付く。
なんと、先輩の肩にもたれかかって眠ってしまっていたのだ。
「ご、ごめんなさいっ!! 」
そう言って、飛び起きる。
「いや、そんな焦らなくて大丈夫だけど。それより、降りるのそろそろじゃん?」
前のモニターを見ると、もう2区間前になっていた。
「ほんとだ!…もう、ほんとすみません。先輩の方が部活で疲れてるでしょうに。」
「大丈夫だってば。…寝顔、癒されたし。」
「え?最後何て言いました?」
ボソッと呟いていたので、聞き取ることが出来なかった。
