「はー!楽しかった!由麻、ほんとにありがとう!今度は私が奢るよね。」

「どういたしまして。次、楽しみにしてるね。」

「もう暗いね~、由麻気をつけて帰ってね。」

カラオケで熱唱すること三時間。
いくら夏でも7時半を過ぎれば暗くなる。


「あたしは大丈夫よ。近いし。それよりひなの方が心配。バス停まで一緒に行こうか?」

「大丈夫だって!心配してくれてありがと!」

「そう、じゃあ、この辺でね。また明日ね!」


「うん!ばいばーい!」

笑顔で手を降り由麻と別れる。




バス停に着き、バスを待つ。

「あれ?藤田サン?」


そう呼ばれて振り返ると、
「中山先輩!え、あれ、今帰りですか?」

「そ。部活終わり。藤田サンは?」

「あ、あの、呼び捨てで大丈夫です。今日は部活オフだったので、友達にカラオケ奢ってもらっちゃいました」


「そっか。もう忘れんなよ、財布。」

笑いながらからかわれる。
けど、その笑顔にどきっとしてしまう私がいた。



「はっはい、気を付けます。あ、明日、教室に伺いますね。」

「おう。なるべく、教室にいとくようにする。」

「そうしてくださると助かります。
あ、バス来ましたよ!」