「本当のところは、そうなんじゃないか?」
「ラルフは、どんな形で死にたいのかな?」
爽やかな笑顔で、脅しにかかる。
ここまで言われて黙っている人間など、まずいないだろう。
もしいた場合は、その人物は聖人君子。生憎、エイルは聖人ではない。
するとラルフにいくつかの選択肢を与えていくが、それら全て十代の少年が発して良い台詞ではなかった。
「うっ! そ、それは……」
「ハーブ園で使うはずだった魔法未発動で終わってしまったから、あの魔法でもいいんだけどね」
「冗談だろ?」
「冗談に思える?」
明らかに、目は笑っていた。
エイルは、やると言ったら必ず物事を遂行する性格の持ち主なので、強ち嘘ではい。
だからといって、教室内の魔法使用は禁止。
そのことに気付いたラルフは、強く出ることにした。
しかし、それは無駄な抵抗に終わる。
やはり生半可の知識では、エイルに勝つことはできない。
それどころか反論したことにより、刺と毒が倍になってラルフに襲い掛かってきた。
「誰も、この教室で使用するとは言っていないよ。使用するなら、特別室に行かないといけないし。勿論、きちんと許可を取ってから。其処で思う存分、数々の披露してあげる。魔法って、日頃の訓練が大切なんだ。だから、的は有難い。威力もわかって、勉強になるし」
その瞬間、全身から血が引く思いがした。
ラルフは。完全に忘れていた。
実験や研究などを行う特別な教室では、魔法の使用が認められていることを。
流石に一度言ったことは訂正できないが、訂正しなければ命の保障はなかった。
それだけエイルの魔法は、強力すぎる。
「できたら、校庭がいいな」
「注目されてもいいんだ」
「そ、それは嫌だな」
「それなら、回復魔法を使ってあげるよ。これなら、安全だろ? それに、目撃者もいないしね」
「そ、それは……」
「言いたいことは、ハッキリと言おうね」
何が何でも、エイルは回復魔法を使用したいらしい。
それなら「回復魔法を専攻すれば」と思うが、そんなことは言えない。
言った瞬間、何をされるかわからない。
いくら鈍感なラルフであろうとも、機嫌が悪いことはわかる。
先程からエイルは、眉間にシワを寄せていた。


