こうなると、完全にアルフレッドの尻拭い。その尻拭いの相手は好き勝手に休憩を行ない、仕事も真面目に行なわない。後でシードとリデルに言い付けてやるとエイルは心の中で誓うと資料を受け取り、仕事を開始した。
「あれ? 仕事は終わったんじゃ……」
資料を抱え再び姿を現したエイルの姿に、シンが心配そうな声音で言葉を投げ掛けている。彼女の言葉にエイルは苦笑し肩を竦めると、再び仕事を頼まれたということを話していく。
「量が多いからね」
「これは別の人間が整理したものだけど、その人物がいい加減にやったからやり直しなんだよ」
「それ、誰?」
「同じ新人隊員」
その説明に、シンの表情が強張る。それに続き、長い溜息を付いていた。彼女もアルフレッドの不真面目な一面を理解しているのだろう、エイルに同情するかのように肩を叩いた。
「手伝う?」
「いや、僕が全部やるよ」
「偉い」
「仕方がないからね」
相手がアルフレッドということで、エイルは半分諦めていた。それに、愚痴っても仕事が終わるわけではない。机の上に手渡された資料を置くと、先程使用していた椅子に腰を下ろし資料の整理を行なっていく。
エイルの真面目な姿にシンは頷き返すと、彼の目の前で同じように椅子に腰を下ろし整理を行なう。その時、二人の耳に例の不真面目な人物――アルフレッドの声が届く。その瞬間、彼等の表情が思いっきり歪んだ。そして全身から殺気に似たオーラを放ち、アルフレッドを出迎えた。
「あっ! 此処にいたんだ」
「怒られていたんじゃないのか」
「一応、終わった」
アルフレッドの説明に、エイルとシンは互いに顔を見合すと同時に肩を竦めていた。その間も続く、アルフレッドの大声での説明。その声音に対しエイルは自分の唇に人差し指を当て、彼を睨み付けた。
今彼等が話している場所は、親衛隊の控え室に隣接している資料室。そもそも資料室での大声は厳禁で、隣接の控え室では先輩達が仕事を行なっている。先輩達は何も言ってこないが、アルフレッドの大声に迷惑しているのは間違いない。エイルはその点を無言の圧力で注意していく。


