ロスト・クロニクル~前編~


 その後、短時間で残りの二人を発見することができた。二人とも今回の提案に対し了承し、心待ちにしていると言葉を発する。これにより予定していた六人が全員揃ったので、後は場所と日程の調整をしないといけない。マキネを抜かして五人は食堂に集合し、飲み物を飲みつつ計画を練っていく。

 まずは、集合場所。最初に上がった場所は、大陸の中心部分――メルダースがあるエルベ王国だった。これに関して、誰も異論を唱えなかった。大陸の中心部分なら、北や南の出身者も集まり易い。

 場所の次に決めないといけないのは、正確な日程だ。これに付いては、エイルが真っ先に口を開いていた。そう、彼の故郷は北国のクローディア。冬の時期は大量の雪が降り、行き来が難しい。そして残雪は初春まで残り、本格的に行き来が可能になるのは晩春になってしまう。

「ああ、そうか」

「確か、地理で習ったな」

「そういうことだから、晩春から初秋にして欲しい。特に冬の真っ只中は、危なくて仕方がない」

 彼の言葉に、全員が頷く。雪深い時期に態々出てきてもらうのは、下手したら命を奪ってしまう。それに地理の授業でクローディアの環境を勉強しているので、冬の厳しさは知識で持っているので、全員がエイルの意見に従い晩春から初秋の間から決めていくことにした。

「夏は、どうかな?」

「一番無難かな」

「暑苦しいけどね」

「我慢我慢。雪の中で集まるよりは、いいだろうから。雪崩とかあるから、雪の時期は怖いよ」

「確かに」

「死にたくはない」

 エイルの意見で大体の時期は決定したが、問題は細かい日数を決めることだ。しかし此方の面は、なかなか決まらない。その理由として、五人が将来就く仕事が深く関係していた。

 現在仕事が決まっているのは、エイルを含めて三人。他の生徒は仕事先を探しており、どのような職業に決まるかわからない。簡単に休みを取れる職業もあれば、難しい職業も存在する。

 特にエイルが就く王室親衛隊は、自分の都合で好き勝手に休みを取っていい職業ではない。尚且つ、エイルは新人隊員。そのことを思い出したエイルは甲高い声を上げると同時に、集まっている者達の顔を見る。そして、一年目は参加できないということを仲間に伝えた。