だが、マキネの姿は図書室にはなかった。普段の彼であったら図書室の一番奥の席で読書しているのだから、今日は利用していないようだ。だとしたら、次の出没場所へ行かないといけない。
次に彼等が選んだ場所は、魔法の練習を行なう特別室。この特別室は学園の隅に設置されているので図書室から遠い位置に存在するが、マキネの出没の可能性を考えると行かないわけにもいかない。
やれやれというかたちで三人は特別室へ続く廊下を歩いていると、その途中で見慣れた人物の存在に気付く。その見慣れた人物というのは、彼等が必死になって捜しているマキネ。相手もエイル達に気付いたのか、人差し指で三人をそれぞれ指差し大声で叫んでいるのだった。
「何しているんだ」
「お前を捜していた」
「俺を?」
「そう、実は――」
エイルは、ユーリに話したことと同じ内容をマキネに話していく。彼はユーリと違いすぐに食い付いてくるということはなかったが、仲のいい友人達と年に一度会うという部分は賛成だった。
「よし! 仲間入り」
「宜しく」
「これで、全部で四人だね」
「何人、集めるんだ」
「あと、二人。で、一緒に行くか?」
「いや、ちょっと忙しいんだよ。だから、他の奴等に宜しく行っておいて欲しいな。それじゃあ!」
マキネは別れ際に、人差し指と中指を合わせ額に軽く当てる。そして二本の指をビシっと明後日の方向に向けると、満面の笑みを浮かべながらエイル達が来た方向へ歩いて行った。
相変わらず、予測できない動きを見せるマキネ。しかしこれが彼の特徴であり、面白い部分。三人は彼の行動が愉快だったのか声を出して笑い、口々に「あいつらしい」と、言い合っていた。
彼が持つ面白さは独特でラルフに通じる部分を持っているが、本質が一緒というわけではない。
だからこそ彼は多くの生徒に好かれ、その反面ラルフは多くの生徒に邪険に扱われているのだ。一見とっつき難い性格に見えなくもないが、マキネの交友範囲は想像以上に広い。それは、彼が悪気を持っていないからだ。だからエイル達は、マキネを仲間として誘ったのだった。


