「それじゃあ、卒業者の中で仲がいい奴に連絡しておこう。特に、仲がいい奴がいいか。大人数だと、集まらないし」
「それがいいんじゃないか」
「で、問題のラルフは?」
「僕は、嫌だよ」
卒業し故郷に戻ることでやっとラルフから開放されるエイルにしてみれば、毎年ラルフと会うのは冗談ではない。エイルは物凄い形相を作ると「嫌だ」と言い、拒絶反応を繰り返した。
ピクピクと片方の眉を動かしているエイルの表情に、相手は「ラルフを呼ぶ」が禁句だと、ハッキリわかった。それに彼自身も珍獣と呼ばれているラルフにいい印象を抱いておらず、会いたいとは思っていない。
「確かに、俺も嫌だ。呼んだら呼んだで、あいつが全てを持っていきそうな雰囲気があるからな」
「同感」
「よし! エイルの意見を尊重して、ラルフには声を掛けないようにしよう。で、行こうか」
「了解」
そして相手の言葉に軽い口調でエイルは返事を返すと、歩きながら誰を呼ぶか考えていくのだった。
◇◆◇◆◇◆
彼等が考えている人数は、自分達を含めて六人。専攻していた授業はバラバラで、唯一統一しているのは同学年ということ。そして最初に声を掛けたのは、食堂で紅茶を飲み寛いでいた攻撃魔法を専攻していた生徒で、名前はユーリ。彼はエイルと同じクラスで勉強していた人物だ。
「やあ」
「あれ? どうしたんだ」
「話があって、来たんだ」
「嫌な話?」
「違う。いい話だよ」
「それなら、いいんだけど」
それを聞きユーリは胸を撫で下ろしていた。エイルという人物は真面目でいい人というイメージが強いが、いかんせんオマケ品のラルフの存在が大きい。それにより悪いイメージも付き纏うのだが、今回はラルフとは関係ない。それがわかったユーリは、どのような話か尋ねていた。


