互いの手を打ち合わせると、地上最低の植物を退治したことを喜ぶ。このことをメルダースの全員に話したら、誰もが二人に拍手喝采を送るだろう。それだけ、マルガリータは異端の存在。
久し振りに訪れた平和に、二人はしんみりとする。特にクラスメイトは余程嬉しかったのか、目元に薄っすらと涙を浮かべている。感涙に浸っているクラスメイトの肩をエイルはと叩く、これから学園長と教頭に報告に行くことを伝える。
勿論、クラスメイトも「何故、報告に行くのか」という理由を瞬時に理解してくれた。何せ、あの常識を逸脱した突然変異の花マルガリータが消滅したのだから。学園長と教頭への報告は、絶対にしないといけない。
「ついでに、これをお願い」
「了解」
エイルが彼に手渡したのは、地面を掘るに使用したスコップ。それに対してクラスメイトは軽い口調で返事を返すとスコップを受け取り、学園長と教頭のもとへ駆けていくエイルを見送った。まずエイル最初に向かった場所は、学園長の私室。彼は扉をノックすると、相手からの返事を待った。
「どうぞ」
クリスティの言葉を受け、エイルは「失礼します」という言葉と共に、部屋の中へ入室する。その瞬間、此方に視線を向けているクリスティと目が合い、エイルの身体が反応を見せた。
「何かしら?」
「えーっと、マルガリータのことです」
「トラブルかしら?」
「い、いえ」
〈マルガリータ〉の名前を聞いた瞬間、クリスティの眉が動く。更に顔が引き攣り、怪しい笑い方をしていた。
クリスティの反応にエイルはたじろいでしまうが、マルガリータの消滅を報告しないといけないので、思い切って先程の出来事を話していく。それも、身振り手振りを付け加えながら。
「それは、喜ばしいわ」
クリスティを含め学園で働く教師達にとってマルガリータという不可思議な存在は、目の前を煩く飛び回る小蝿のようなもの。それが消えてくれたことに、彼女の口許は緩んでいく。
彼女は表立ってマルガリータについて言及していないが、裏では教頭のジグレッドと話し合いをしていた。そして、たった今その心配が無くなった。エイルからの喜ばしい報告に彼女は、マルガリータの処分に携わったもう一人の生徒を連れてくるようにとエイルに命令を出す。


