その後、生徒達は次々と実技試験を受けていく。仲には一度失敗する生徒もいたが、大体が二回目で何とか成功していた。そして全ての試験が終わると、受験者全員は疲労の影響で泥のように眠りに付く。


◇◆◇◆◇◆


 翌日。

 エイルが目を覚ました時は、完全に昼を回っていた。長時間眠っていた影響で身体が鉛のように重く、なかなか寝台から起き上がることができない。エイルは寝台の上で身体を何度か回転させると、うつ伏せの状態で枕に顔を埋める。そして、長い呻き声を発していた。

 卒業試験の翌日は授業自体が休みなので、このまま眠っていてもいいのだが、彼の性格上一日寝台の上で過ごすのも気が引けるので、気合を入れて起き上がろうとするが、全身の筋肉が何かおかしい。

 上手く筋肉に力が伝わらないのか、起き上がった瞬間に寝台に倒れこんでしまう。それが、何度も続く。普段とは違う体調の変化に、エイルは身体が「今日は休憩せよ」と言っていることに気付く。この状態では抗わず、寝台に横になっているのが身体にとって優しい。

 エイルはうつ伏せから仰向けに体勢を変えると、グシャグシャになってしまった掛け布団を掛け直す。

(もう一回、寝ようかな)

 そう考えていると、再び眠気が襲ってくる。最初は起きて何かをしようと考えていたが、もう一度寝直すのも悪くない。それに試験を受けた者達も、まだ惰眠を貪っているに違いない。

 エイルは何度か欠伸を繰り返すと、頭まで掛け布団を被る。そして身体を丸くし、再び気持ちいい夢の世界へ旅立った。