ノートの上にペンを走らせ、脳に学習している内容を必死に記憶していく。卒業試験まだ日数があるが、油断しているとすぐに当日になってしまう。また、大体の生徒が一年前から準備している。
卒業試験の一発合格を目指しているエイルは、毎日のように徹夜で勉強を続けている。いや、それはエイルだけではなく誰もが同じように一発の合格を目指している。しかし多くの者が、何度も挑戦してしまうのが現実であった。だが、最初から諦めては何もならない。
何事も頑張る。
その証拠に、寮の多くの部屋の窓から煌煌とした明かりが漏れていた。そして、その日が訪れた。
◇◆◇◆◇◆
運命の日の朝。
卒業試験を控えている生徒達の表情は激しく悪く、中には顔面蒼白の者までいた。彼等は前日まで徹夜で勉強を行っていたのか、目の下に隈ができている。また、何度も欠伸を噛み殺す。
「おはよう」
「うん。おはよう」
「頭、ボサボサだな」
「起きたばかりだから」
エイルの質問に返事を返しているのは、半分眠っている状態のラルフ。何が何でも卒業試験を受けようと気合を入れ起きたのはいいが、足下が覚束ない。また、油断すると再び夢の中だ。
「大丈夫なのか」
「う、うん」
「よし! 起こしてやる」
ラルフを目覚めさせようとエイルは利き手を振り上げると、力任せに頬を何度も叩いていく。
「な、何をする」
「目覚めた?」
「ま、まあ」
今の攻撃が効いたのか、一気に眠気が吹っ飛んだ。しかし、叩かれた頬がヒリヒリと痛い。だがいつものラルフと違い、叩いてくれたエイルに感謝してくる。エイルが頬を叩いて起こしてくれなかったら、椅子に腰掛けて行なうテストを受けている最中に確実に寝ていた。


