御付の必死の説明と説得によって、渋々ながら引き下がることにした。彼も何となく理解したのか、珍しく愚痴を言わない。
決闘の件で国際問題に発展するかと思われたが、ウィルソンの行動を恥じたのか、相手の国は和解を申し出てきた。勿論今後の関係を考慮して、互いの国は穏便に物事を済ませる。
その後、平和な毎日が続く。
しかし、レナードは違った。ウィルソンがナタリーに手を出しそうになったことを相当引き摺っているらしく、早速行動に出た。それはナタリーに告白し、妻として迎え入れることを望んだのだ。
勿論、ナタリーが断ることはしない。
二人の結婚に、周囲は祝福する。
最後は、ハッピーエンド。
これも、女子生徒達の望みを反映した終わり方だった。
◇◆◇◆◇◆
物語が終わると同時に、拍手が会場に響き渡る。その音の中で、演目を演じていた生徒達が深々と頭を垂れた。
そして、舞台の袖に帰って行く。
「お疲れ」
「お疲れ様です」
「頑張ったよ」
「うん。凄い凄い」
ラルフの頑張りに、エイルは素直に彼の頑張りを褒め称える。彼の言葉が嬉しかったのかラルフはその場で跳躍し、全身で喜びを表す。更に小躍りをはじめ、周囲の度肝を抜いた。
しかし、エイルは長々とラルフに付き合うことはしない。彼は他の生徒達に話し掛けると、それぞれの生徒の演劇の素晴らしい部分を言っていく。すると褒められた生徒も、エイルの素晴らしい点を話していく。
「やっぱり、エイルを主役にして良かったよ。役の中で、お前が一番衣装が似合っていたし」
「褒めすぎ」
素人の演劇だったが、観客の評価は高い。それは皆が真剣に頑張ったので、プロに近い仕上がりとなった。その時、生徒全員の身体が一斉に反応を示す。そう、舞台袖にクリスティが姿を見せたのだ。突然の学園長の登場に誰もが顔を強張らせ「いらっしゃいませ」と、全員が言葉を発した。


