しかし、必死に誰かを求めた。
「お、起きろ!」
マナの顔をペシペシと叩きつつメイドが気付くように叫ぶが、エイルの自室の近くに誰もいないのか反応がない。するとその前に、マナが目を覚ます。そして、互いに視線が合った。
「エ、エイル様」
「平気?」
「わ、私は……」
「気絶していた」
「す、すみません」
「何か、持病を持っている?」
「だ、大丈夫です」
「それなら、安心した」
マナの言葉にホッと胸を撫で下ろすが、完全に不安感が拭えたわけではない。エイルは軽々とマナを抱き上げると、自身が使用している寝台の上に乗せ暫く休んでいていいと言う。
しかしマナは、支度の準備を手伝うという仕事を課せられているので、間髪いれずに頭を振るがエイルの言葉がマナの意思を遮る。彼にしてみれば、再び倒れ気絶するのを恐れていた。それに支度の大半は終わっているので、マナは休憩していても一向に構わなかった。
「そ、それでしたら……」
「うん。それがいいよ」
「……エイル様」
「何?」
「ご無事で」
「うん? まあ、殺し合いに行くわけじゃないから。でも、その気持ちは受け取っておくよ」
「……はい」
囁くような言葉であったが、エイルの耳に確かに届いた。そして満足したように頷き返すと、準備を進めていく。
途中、問題が発生する。
それは、着替えの真っ最中。
勿論、着替えの場合は服を脱ぐ。そして今、エイルが服を脱ごうとしていた。それを間近で目撃してしまったマナは掛け布団を両手で鷲掴みにすると、頭からスッポリと被って布団の中でブルブルと震えている。そう、彼女は其方の方面の耐性が全くないに等しかった。


