一方アルフレッドは、のほほんとした表情を浮かべつつ立ち尽くしていた。そして何度も「合格」と、聞いていく。しかし、誰も回答を述べることはしない。それどころか、リデルが声を荒げた。
「何をやっている」
「へえ?」
「お前は、試験の意味を理解しているのか」
「い、一応」
緊張感が感じられないアルフレッドの言葉に、リデルは深い溜息を付く。無論、シードも同じだった。一体、何の為に試験を受けに来たというのか全く理解していない。その為、不信感を含む視線を向ける。それに同調する形で、他の親衛隊の面々と受験者も同じ視線を向けた。
「一応か」
「本気です」
「わかった」
「聞いて下さい」
「しつこいぞ」
何が何でも親衛隊に入隊したいと思っているアルフレッドは、しつこくリデルに食い付いていくが、食い付かれる方は溜まったものではない。リデルの目付きは、完全に不審者を見詰めるものだった。この場が親衛隊の試験会場ではなかったら、魔法をぶっ飛ばしていただろう。
肉体的・精神的に、多大なるダメージを与え続けていく。尚且つ、人の話を真面目に聞こうとしない。更に傍若無人で、時と場合を選ばず大声を発し、止めは筋肉質の肉体が気持ち悪い。品性の欠片も感じられないアルフレッドは、親衛隊を含め兵士としての素質に欠けていた。
「合格か、不合格か――」
「言って欲しいか」
「できましたら」
「不合格だ」
現在、親衛隊の試験の最中なので、リデルは温情という感情を封じていた。それにより、容赦ない言葉を浴びせていく。だが、相手はアルフレッド。一回食い付いたらなかなか離れず、更にリデルを苦しめていった。すると、見兼ねたシードが割って入るように口を挟む。
いつまでも、アルフレッドに構っている訳にはいかなかった。それに、試験を受けに来ているのは一人ではない。そのことをシードは淡々と語って聞かせていくが、流石人の話を聞かないアルフレッド。今度は、シードに食い付いていく。こうなると、誰も止められない。


