その為、素直に話していく。
しかし、その考えは甘かった。
アルフレッドの性格を計算に入れていなかったのが全ての原因だったが、まさかこれほどの常識離れの性格の持ち主であったとは。出会ったと同時に首に図太い腕を回され、高笑いをされた。
勿論、注目を浴びてしまう。
「……止めて下さい」
「いいじゃないか」
「嫌です」
「仲間じゃないか」
「それは、表面上の話です。確かに、一緒に親衛隊の試験を受けます。しかし、それだけです」
流石、ラルフ相手に鍛えている毒吐き。容赦ない猛毒攻撃に、アルフレッドはタジタジになってしまう。そして渋々と首に回していた腕を解くが、アルフレッドはしつこく絡んでくる。
「一緒に行こう」
「結構です」
「何故?」
「それは、此方の台詞です」
「どうせ、向かう方向は一緒だ。それなら、一緒に行ってもいいじゃないか。だから、行こう」
言っていることは正論だが、いかんせん言っている本人に問題が多い。アルフレッドの性格が真面目で物事の常識を弁えている人物であったら、エイルは一緒に試験会場へ向かった。だが、アルフレッドの性格は問題要素が多い。それに、笑い声が耳の奥へこびり付く。
「しかし、君も試験を受けるとは……」
「君?」
「名前がいいか?」
「できましたら」
「で、何だっけ?」
「自己紹介は、しましたよ。アルフレッドさん」
「おお! 俺の名前は、覚えているんだ」
エイルが性格に名前を呼んでくれたことにアルフレッドは目を丸くし驚くが、エイルは至って普通の態度を示している。逆に「それがどうした」という表情を浮かべつつ、冷ややかな視線を向けていた。一方その視線の意味を気付いていないアルフレッドは、馬鹿笑いをする。


