逆にこのような考えもできる。
ラルフが王族に危害を加え捕まり、そのまま処刑台に送られる。
言葉が悪いが、この世から消えてもらえるのなら有り難い。
その方が、世の中の為になる。
「僕だって、どうかわからないし」
「でも、エイルの家は?」
「家系は、関係ないよ。その名前を持っていても実力がなければ、なることはできないから」
「つまり、平等ってわけか」
「そうなるね」
ある程度の職業なら「この一族出身」という意味で、採用されることはある。
だが王家を守る親衛隊では、それは通用しない。
才能がない者は不必要。全ては実力主義なので、エイルは多くを学び実力をつけなければならない。
「親衛隊の中に、メルダース出身の人物がいるよ」
「本当か?」
「本当だよ」
「やっぱり、メルダースという名前は凄いんだな」
「有名な学園だから」
エイルの言葉に、改めて「メルダース」という名前の凄さを知る。
各国の主要な部署にメルダースの卒業者がいるというが、それだけこの学園が偉大ということだ。
流石、一流の学問を学べる場所。
大勢の者達が入学したいと思うのは頷けるが、授業内容が難しいのが辛いところ。
「親衛隊は、慣れればいいということだから」
「他の夢は?」
「金持ちのお抱えかな?」
「それが、妥当なんじゃないか」
「その前に、進級試験か」
その言葉にエイルは頷くと、合格していることを心の中で祈る。
この合否により、来年の計画が変わってくるからだ。
留年し再び進級試験を受けるか、それとも卒業試験に向けて勉強するか。
どちらにせよ、大変だということは変わらない。
メルダースに入学した時点でそれを認識していたが、四年も難しい勉強を行っていると気がおかしくなってしまう。
結果、倒れる生徒も多い。
たまの休憩時間は存在するが、エイルの場合は図書室に篭っていることが目立つ。
お陰で図書室の主になってしまいそうな感じもしないわけではなかったが、それを行っているのはエイルだけではない。
エイルと会話をしている生徒も含め、何人もの生徒が同じことをしていた。


