「マルガリータは、死んだよな」
「エ、エイルが……落とした」
「そうだよ。確かに、窓から落としたよ。それなのに、どうして復活を果たしたんだ。あれは、不死者か」
「きっと、寂しかったんだよ」
その言葉に、エイルの身体が固まってしまう。
寂しい――冗談ではない。
あのような植物にそのような高度な感情があるとは、思いたくもない。
しかしマルガリータは、あのように復活を果した。
復活をするぐらいの何かを持っているのなら、感情を有している可能性も高い。
このように言われたら、エイルは何も言えなくなってしまう。
マルガリータという植物は、何でもありの状態。
それに、一般常識が通じない。
どのような出来事が起ころうとも「マルガリータだから」と片付けられるのは、様々な意味で凄いことだ。
それに、無用な考えは必要ない。
エイルは周囲にいた生徒達に視線を向けると、答えを求める。
しかし、適切な言葉は貰えなかった。
全員が呆れ、何も言えない状況にあった。
中には溜息を漏らし、横を向いてしまう生徒もいる。
「じゃあ、マルガリータに会いに行こう。お前の意見としては、寂しいから復活した。それなら、育て主が会いに行かないと」
「えっ! ハリス爺さんがいるんだろ?」
「いるに決まっているだろ。植物関係は、ハリス爺ちゃんの管轄だから。それをわかっているのなら、行くぞ」
それでも、ラルフは動こうとはしない。
ハリスの恐ろしさをしっている手前、行ったら何をされるのかわかったものではないからだ。
エイルは、このことを予想済みだった。
だからこそ、マルガリータの危機を教える。
ハリスにとってマルガリータは、邪魔ものの何物でもない。
それに、あの色に変色した植物を植物とは思わないだろう。
ラルフが助けに行かなければ、間違いなく抹殺されるに違いない。
「そ、それは……」
「なら、行くだろ?」
ラルフからの返事は返ってこない。
急に黙り込み、何か考えているようだ。
その時、ラルフの身体が震えだす。
はじめは小刻みに震えていたが徐々に揺れ方が大きくなり、身体がおかしな動きを見せる。
突然の行動に、エイルは胸元を掴んでいた手を離す。
すると支えを失ったラルフの身体は、寝台の上に叩きつけられてしまう。
すると痛みを感じないのか、身体の震えが止まることはない。
それどころか、至る所の間接がこれまたおかしな方向に曲がったような錯覚を見せる。


