「扱いに、難しいと思います」
「最近は、性格が変わられてしまったからな。できれば、以前の性格に戻ってほしいものだが」
「人間なんですか!」
「そうだけど。何か問題ある?」
「い、いいえ」
最終兵器というからには、何かの道具かと思っていた新人君。
まさか“あれ”が人間だとは、普通は思わない。
それに静かに会話の内容を聞いていると、どうやらかなりの性格の持ち主のようだ。
「会長、いつお迎えに」
「早い方がいいだろう。あの方も、何かと忙しい。それに、機嫌を損ねたら手伝ってくれなくなってしまう」
「了解しました」
魔法の耐性が高い会長。
それを上回る人物がメルダースにいるということは、聞いたことがない。
しかし大勢の者達の会話を聞いていると、その人物は間違いなく存在する。
どのような人物で、どのような姿をしているのか――新人君は、恐る恐る尋ねてみることにした。
「会長、どのような人物なのでしょうか? 話を聞いていますと、ゴツイ身体をしているような感じがします」
「我等が総帥は、普通の方だ」
発せられた単語に、新人君は耳を疑う。
総帥――大それた名前をつけられる生徒など、本当に存在するのか。
まさか、研究会全員が妄想を働かせている……と、新人君は冷ややかな目で仲間を見てしまう。
「信じていないな」
「は、はあ」
「お前もあの方に会えば、その偉大さがわかる」
またまた、全員が頷く。
どのような偉大さなのかいまいちわからない新人君は、首を傾けるだけ。
そんな失礼な態度に、周囲から怒りが飛ぶ。
総帥を愚弄する人間は、研究会にいるべきではないと言いたいのだろう。
「で、何処にいるのですか?」
「会いに行くのか?」
「一応、この目で見ておこうかと」
好奇心が疼いたからとは、流石に言うことができないので違う意味で言葉で誤魔化す。
すると一人の人物が、総帥の出没ポイントを教える。
出没――どうやら人間離れした人物というのは間違いないようだが、本当にそのような人物がメルダースにいるのかどうか――実に怪しい。


