「そ、そこまで……」
「責任取れよ」
「俺は、悪くないよ」
「いや、お前が悪い。そもそも、あれの創立はお前が関係している。忘れたとは言わせないぞ」
人差し指でラルフを指しつつ、淡々と今までの経緯を話していく。
すると見る見るラルフの表情が青くなっていき、しまいにはうな垂れてしまう。
やはり「罪悪感」というものは持ち合わせていたようだ。
「どうすればいい?」
「解散! これだな」
「結構な人数がいるんだよね」
「へえ、お前が創立したというのに人気があるんだ。これって、本当に珍しいことだと思うな」
嫌味たっぷりの台詞が、ラルフを突き刺していく。
毒を吐かせたら右に出るものはいないと言われているエイル。
本気は出していないようだが、それでも精神ダメージは計り知れない。
「まあ、今回はいいよ。マルガリータのお世話をしないといけないだろ? 可哀想な姿になってしまって」
「はっ! よくもマルガリータちゃんを」
「……忘れていたんだ」
「そ、そんなことはないよ」
鋭い一言に、ラルフはとてもわかり易い態度を示す。それは身体を震わせ、エイルを見つめていた。
「マルガリータちゃん」と愛情を込めて言っているが、所詮それまでだったのだろう。
フランソワーの件といい、やることが中途半端でいけない。
このように、マルガリータの見捨てたのだから。
その時、鐘の音が響き渡る。
それは昼を告げる合図であった。
今日は授業が休みなので、鐘が鳴らされるのは一日に三回。起床と昼食。
それに、夕食を知らせる時だ。
鐘の音を聞いたエイルはラルフに昼食を食べに行くことを告げると、そそくさと部屋から出て行ってしまう。
「待って! 俺も行く」
萎れてしまったマルガリータを救い出すと、エイルの後を追う。どうやら、食堂にマルガリータを持っていくようだ。
刹那、黒い影が動く。
そして規則正しく植えられた植木の影から姿を現したのは、メルダースの制服を着た集団。
どうやら、今までのやり取りの一部始終を目撃していたようだ。
そしてこの者達は、例の研究会の面々。
敵の行動を観察する為に集まったのだが、逆にその迫力に圧倒されてしまう。


